誰でも撮れる? ブライダル撮影

結婚式の写真 ブライダルフォトグラファー

ブライダルの写真のお値段

結婚式の準備をする際に、様々なアイテム選びは楽しみでもあり悩みどころでもあります。

もちろん「写真」もそんなアイテムの一つです。

諸先輩たちのサンプルアルバムを見ながら自分たちの結婚式を想像し、注文するアルバムを決めていくのも楽しい時間です。

そして担当のプランナーさんから一言、「こちらの一番人気のアルバムで18万円に消費税です!」

「ふーん18万円・・・結構するな!」と思いますよね?

18万円を高いと思わなかったあなた、ありがとうございます。

あなたはきっとセレブリティか、ブライダル写真の価値をきちんと理解されている方か、もしくはその両方でしょう!

ついでに前撮り・後撮りのロケーション撮影などいかがでしょうか?

・・・ともかく、18万円はやはりそれなりの金額です。

ちなみにゼクシィさんの統計によると、結婚式当日のスナップ写真にかける平均金額は22.4万円だそうです。

じゃあ、これを節約する方法は? 

プロにお願いしない場合の選択肢

ぼくが某ブライダル撮影会社で勤務していた際に、実際のお客様から頂戴した回答として…

①友人・知人に頼む 

②誰かがスマホとかで撮った写真をもらう 

③写真は撮らない!

といったお声を頂いたことがあります。

最初の①の回答は予想範囲内として、②、③の回答には少々驚きでした。

プロに頼まない場合の注意点

ちなみに①~③の選択肢にはそれぞれの注意点があります。


①友人・知人に頼む!

友人・知人がその道のプロで、会場側が持ち込み可能であれば何の問題もありません。あとは今後の関係性を考慮して謝礼額の折り合いを付けましょう。

ご友人がその道のプロではない場合、かかるプレッシャーは相当なものです。せっかくご出席いただいても、お酒も料理も喉を通らない可能性がありますので、お願いしないのが一番の得策です。(ホントに)

どうしても頼む場合は、その後の関係がこじれない様に過度の期待は捨てましょう。

またトラブル事例として、「友人の撮影が原因で披露宴時間が延びて延長料金を請求された!」という事もありますのでご注意を。


②誰かがスマホで撮るでしょ! それを貰うわ!

はい、確かに皆さん撮ります。同じようなシーンを同じように。披露宴が始まって、ケーキ入刀のシーンで一番盛り上がり、パーティーが進むにつれて酒がまわり、撮影枚数が減っていきます。

あと挙式中は撮影不可か自席からの撮影になりますのでご注意を。

皆さん責任感なく思うがままに撮影しますので、①の「友人・知人に依頼する」よりもだいぶ期待値を下げておいてください。


③写真は撮らない!

潔い決断です! が、せっかくの結婚式です。お写真を残すことを強くお勧めします。

結婚式の写真は時を経て、その価値を増していくものです。

ブライダル撮影は素人にもできるのか?

では、友人に頼むことになったとして、はたして「素人がブライダルの写真を撮れるのか?」が問題になります。

最近のカメラの性能の向上は目を見張るものがあります。以前はストロボに頼るしかなかった暗闇でも撮影出来たり、逆光でもいい感じの明るさに調整してくれたり、フォーカスの精度も向上しています。

まだフィルムで撮影していた時代は、ISO感度400のフィルムを使ってストロボをバシバシ光らせて撮影していたものです。フィルムの残り枚数も気にしなければならなかったし、フォーカス精度も今とは比較にならないくらいお粗末なものでした。

それに比べると、今はカメラ任せでもある程度の写真は撮れるようにはなってきています。

我々プロも機材の進化で、撮影が楽になってきているのは確かです。

「だったら素人でも撮れるんじゃない?」と考えてしまいますが、結論から言うと・・・

「ブライダル撮影はそんなに甘くない!」です。

なぜかというとブライダル撮影の現場には、撮影スキルだけでは解決できない数々の難敵が存在するからです。

難敵その壱 「時間」

難敵の代表格として「時間」があります。ブライダル現場はけっこう細かいスケジュールを組んで動いています。特に人気のある会場は、前後にも挙式やパーティーが詰まっていて、1件の婚礼に遅れが生じるとその前後の婚礼に影響が出てしまいます。スケジュールが崩れると多くの人に多大な迷惑をかけるので、会場側としては「時間」は絶対に死守しなければならないのです。

ただしパーティーの終了時間に関しては、おおらかな会場は結構ありますが。

ですので、ブライダルカメラマンは全体の進行を把握したうえで撮影を行わなければなりません。ときには30分を予定していた挙式前のスナップタイムを10分で切り上げたり、逆に新郎新婦のイメージショットを撮影をしながら時間を稼いだりと、スケジュールの緩衝材のようにふるまう必要があります。

これをそつなく行うには、ある程度の経験といろんなイメージショットを素早く取れる引き出しが必要です。

そして、会場慣れをしているかどうかも重要なポイントです。

ベテランカメラマンでも、初めて入る会場は進行の流れを把握するのは難しいものです。

また、ブライダル現場に限ったことではないですが「時間」を巻き戻すことはできません。

シャッターチャンスを逃したら、もう二度とそのチャンスは訪れません。

しかしながらブライダル撮影には、「マストカット」と呼ばれる絶対に撮らなければならないシーンがいくつも存在します。

例えば、式中の指輪交換であったりキスシーンだったり、ケーキ入刀などのシーンがそれにあたります。

次々に訪れるシャッターチャンスを撮り逃すことなく撮影していく事は、何年撮影していても大変なものです。

難敵その弐 「人」

撮影するのがご友人であれば、新郎新婦や親族とのコミュニケーションは、さほど問題がないはずです。

課題になるのは会場のスタッフとのコミュニケーションです。

たとえ新郎新婦のご友人といえど、カメラマンとして撮影を担当するのであれば、一人のスタッフとして対応していただかねば現場はうまく回りません。

特に重要になるのが、会場のキャプテン、介添えさん、メイクさん、ビデオ屋さん。司会の方も重要人物です。

同じような仕事をするビデオ屋さんとは、綿密に連携して撮影をすることになります。お互いに相手の撮影を可能な限り邪魔しないように配慮します。ビデオはストロボの光や音によって台無しになってしまう場合もありますし、一度構えたら気軽に動けませんので十分に配慮をしてあげなければなりません。

この辺がうまくいかないと、終始ビデオ屋さんとバチバチしながら一日を過ごさなければならなくなります。

また、稀に現れる厄介な強敵に「カメラ好きなゲスト」様がいらっしゃいます。まるで影のように横にぴったりくっついて撮影をしたり、争うように良いポジションを奪いに来る方がたま~にいるのです。

「かわいい姪っ子のためにいい写真を撮ってあげたい!」その気持ちはお察しいたしますが、お願いですから・・・撮影の邪魔だけはしないで頂きたい・・・なぁ。

これら周りの人物が味方になるか敵になるかは、その人のコミュニケーション能力次第です。

ま、たまに最初から敵役で登場する人もいるんですけどね・・・。

難敵その参 「場所」

「バージンロードは入っちゃダメ」は誰もが知ってるルールですが、神社式で「参道の真ん中、神前の真ん中のラインは神様が通る場所なので留まって撮影はNG」なのは知らない方も多いです。

もちろん式場によってこの辺のルールは違いますので、その会場のきまりを理解したうえで撮影をしなければなりません。

また、場合によっては一般のゲストは通らないバックヤードを通って、撮影をしなければならないこともあります。

しかしながら歴史のあるホテルの中には、バックヤードがまるでRPGのダンジョンのように入り組んでいるところがあります。

とある札幌の会場では「バックヤードから屋上に上って、ゲスト全員の俯瞰撮影をする」ミッションが存在します。

バックヤードに入り、厨房を抜け、非常階段(?)を上り、見逃してしまいそうな千利休の茶室の入り口くらいの小さい扉を通って屋上に到達、ようやく撮影いたるわけです。

ブライダルの現場では、例えるならドラクエⅡで「稲妻の剣」をゲットするような、場所を知っていないと到底達成できないミッションが存在します。

難敵その四 「光」

最後の難敵は光です。カメラの性能が向上したとはいえ、やはり様々なシーンできちんと撮影をするには相応の技術が必要です。

最近の会場はいろいろな光の演出が存在します。ベールアップに合わせてカーテンが開いてまぶしい外光に包まれていく式場、ケーキカットの際にハートが飛び交うプロジェクションマッピングだったり。

新郎新婦やゲストにとっては光のマジック&ファンタジーですが、カメラマンやビデオ屋さんにとっては対向車のハイビーム、もしくはムスカにとっての「バルス」の呪文です(天空の城ラピュタより)。

これらの閃光呪文に対応するには、瞬時に露出調整が出来るくらいカメラを使いこなせる必要があります。

逆に暗すぎて撮影が困難な状況も存在しますし、新郎新婦を引き立てるはずのスポットライトが、新郎か新婦のどちらかにしか当たっていないような事もあります。

日本語では「写真」ですが、英語ではPHOTO(光)GRAPH(絵)。写真撮影は常に光との戦いでもあります。

結論

他の撮影に比べ、ブライダル撮影は一瞬の瞬発力が必要な撮影です。一瞬の判断で①カメラの設定を整え、②構図を決め、③失敗なく撮影をする。

様々な難敵と対峙しながら、この撮影を6時間近く続けなければなりません。

これはブライダルに慣れていない大多数のアマチュアカメラマンにとってはかなり厳しいものです。

むしろ(カメラの扱いに慣れている)ほかのジャンルのプロにとっても、ブライダルの撮影はそう簡単には出来ないものです。

そんなわけで、何事もそうですが、「その道のプロに任せる」のが最善の選択です。

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